1998年の作品。
リッキー・マーティンは、1971年プエルトリコ生まれ、12歳でラテン・ポップ・グループ、メヌードに参加して以来、ラテン・ポップの世界に留まらず、ワールドワイドなヒットチャートでも成功を収めてきました。
今作は彼にとって4枚目のアルバムになりますが、プロデューサーに、エアロスミスやボン・ジョヴィを担当したヒット・メーカー、デズモンド・チャイルドが参加しています。
その結果生まれたのが、彼が提供した、同年に開催されたサッカー・ワールドカップ・フランス大会のテーマ曲『La Copa de la Vida』であり、今作にはその英語バージョンも収録されており、世界的に大ヒットとなりました。
ただ今作自体は、デズモンド・チャイルドが過剰なプロデュースをするのではない、今まで通りスペイン語で歌唱する曲が多く、ルンバやサルサを基本に、ロックンロールの要素を取り入れ、大胆ながら緩やかな変化を試みた、サウンド面でのアプローチが採られています。
オープニングの『Por Arriba, por Abajo』から『Lola Lola』と続くアップテンポな流れには、従来のファンは安心して聴けるのではないでしょうか。
『Corazonado』『Hagamos el Amor,』などの曲は、ピアノとストリングスが有効に生かされたバラードになっています。
『No Importa la Distancia』は、のちにマイケル・ボルトンがディズニー映画『ヘラクレス』の挿入歌として英語で歌うことになる曲(ちなみに日本語吹替版では藤井フミヤが歌唱)です。
今作の原題である"vuelve"とは、スペイン語の"volver"(帰る)の第3人称活用で、正確に直訳すれば"彼は帰る=He comes back"の意味。
どんなに成功を収めて変わろうととも、ファンの側にいるという、彼の決意を感じます。
オーストリア輸入盤のため、スペイン語歌詞が記載されているのみで、日本語関係の資料はありません。
美品です。