原書は世界的名著と言われますが、その英文の面白さの秘密に迫った本です。
岡倉天心「茶の本」の思想と文体
【The Book of Teaの象徴技法】
東郷 登志子
慧聞社
定価: ¥3,300
翻訳書はたくさんありますが、何故か『茶の本』の英文を分析した本が皆無です。
文化勲章受賞者ドナルド・キーンさんが『恐らく日本人の手で書かれた英文の最高峯であろう』と評しているのに、それを学ばないのは勿体無いことです。
天心さんは、原書で微妙な使い分けを駆使して表現されているのですが、残念なことに、翻訳本ではそこが同じ言葉になったりして潰されています。また、伏線をはった英単語などが、後に絶妙に回収される緻密な構成など、『茶の本』の本当の凄さが本書でわかるようになります。
また、岩波文庫版『茶の本』冒頭に、”茶が精神の幾何学である”と記述されています。”茶が精神の幾何学ってどういうこと?!”と思っておりましたが、本書で納得できたのも収穫でした。
書込み等はございません。
『岡倉天心「茶の本」を読む』
田中仙堂
講談社学術文庫
定価: ¥1,287
をオマケとしてお付けします。
よろしくお願いいたします。
【内容】『茶の本』というタイトルはとかく趣味的にみられがちですが、本書は文学としての優れた価値を取り上げて論じています。「絵筆を持たない芸術家」として、文学、芸術、哲学のジャンルに渡って多くの芸術家を輩出させることとなった天心の類まれな英語に込められた芸術的な意匠を取り上げています。天心の優れた語学力の秘密も、現代の早期英語教育論争を考える上で参考になるでしょう。品格という言葉が求められる今、天心の英語には「温故知新」以上のメッセージがあることを他の英文著作との関連からも捉えました。ダヴィンチ・コードならぬ天心コードを解く楽しみを辿ることで、天心の芸術的な象徴技法が、どのように現れているかが認識されるでしょう。近代古典というカテゴリーに収めるのにはあまりにも先見性と永続性を持つ『茶の本』を、様々な角度から検討し、詳細な資料を付し…
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