ベートーヴェン
①ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
②ロマンス第1番ト長調作品40
③ロマンス第2番ヘ長調作品50
ヨゼフ・スーク(ヴァイオリン)
指揮:エイドリアン・ボールト①
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団①
指揮:ネヴィル・マリナー②③
アカデミー・オヴ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ②③
録音:1970年9月①、1970年3月②③
スークの演奏は、コンヴィチュニーと演奏した時よりも、均整と端正さを重んじているように感じられる。ドイツ風の様式美の枠の中にこの曲を嵌め込む意識はシェリング盤と似たところがあるが、それでもボヘミアの音楽を弾くときに感じられる歌心が秘められている。カンタービレを押し付けない絶妙な距離感が心地良い。スークの気品を感じる名演であり、さらに興味深いことに、スークはチェコ20世紀前半に活躍した名ヴァイオリニスト・作曲家ヴァーシャ・プシホダ作のカデンツァを使用している。伴奏のボールトも、スークの解釈の方向性を重んじている。スークのヴァイオリンは若々しく伸びやかではあるが、落ち着いた見栄を張らない「美しい抑制」がある。何だかとっても英国的な上品さを感じさせられるベートーベンです。
地味な1枚ですが、これこそ「隠れた名盤」だと思います。スークのヴァイオリンは線が細いですが、端正な演奏を聴かせてくれます。しかし、なんといっても素晴らしいのはボールトのバックです。温かみがある中にも男性的な剛毅さを持った演奏で感動的です。
ロマンス二曲は、全盛期のアカデミー室内のカチッと引き締まって、尚且つ鮮やかなアンサンブルと、スークの美音の溶け合いの絶妙さは素晴らしい。マリナーの機敏さと丁寧さ、貴族的な品の良さが全て良い方に転んでいるし、もともと室内楽が得意なスークは水を得た魚のような自在さである。これは奇跡的な名演ではないだろうか。
ヨゼフ・スーク(1929ー2011)
「チェコの至宝」と言われる大ヴァイオリニスト。祖母はドヴォルザークの娘、祖父は作曲家でヴァイオリニストのヨセフ・スーク。
輸入盤【廃盤】盤面傷無し
プラケース少しすれあり
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