若きレーゼルの技巧と激しい情熱が結晶化したブラームスブラームス:ピアノ独奏曲全集、ピアノ五重奏曲(5CD)ペーター・レーゼル、ブラームス弦楽四重奏団無差別爆撃下のドレスデンで九死に一生を得たピアニスト、ペーター・レーゼルのブラームスは、音数の多いブラームス作品を隅々までコントロールした完璧な演奏が魅力となっています。ブラームスのピアノ曲には情熱が不可欠ブラームスのピアノ曲は晩年の小品20曲以外は、20代から40代にかけて作曲されており、情熱的な楽想がブラームス独特の構造の中に押し込まれたよう音楽とみることもできます。レーゼル若き日の傑作この全集は、レーゼルが27歳から29歳にかけてレコーディングしたもので、完璧な技巧と先鋭な情熱が印象的な仕上がりとなっており、超絶技巧の要求される「パガニーニ変奏曲」の結晶化された名演など病みつきになります。ピアノ五重奏曲の強力な演奏このセットの魅力はピアノ曲だけではありません。Disc2に収められたピアノ五重奏曲では、レーゼルの音楽づくりの構造へのこだわりと手抜かりのなさを改めて思い知らされます。第3楽章スケルツォでの強靭なピアノはほかに聴いたことがない先鋭な表現で、室内楽だから和気あいあいとかいったことを一切考えないレーゼルならではの緊張感が実に見事です。ブラームス弦楽四重奏団共演のブラームス弦楽四重奏団は、シュターツカペレ・ベルリンのコンサートマスター、ハインツ・シュンクが、同僚のホルスト・ピーチュ(第2ヴァイオリン)、マンフレート・シューマン(ヴィオラ)、ペーター・ツィマーマン(チェロ)と共に1970年に結成したグループ。当初の名前は「シュンク四重奏団(Schunk-Quartett)」でしたが、1972年に「ブラームス弦楽四重奏団(Brahms-Streichquartett)」と改名し、1975年に「ブラームス四重奏団(Brahms-Quartett)」と短縮改名。ベルリン国立歌劇場とシュターツカペレのオーケストラ・コンサートの合間を縫っての活動で、息の合った演奏を聴かせ、エテルナにいくつかのレコーディングもおこないましたが、シュンクがベルリン放送交響楽団のコンサートマスターになったため活動を停止しています。 収録内容ヨハネス・ブラームスDisc 1◆ ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 Op.1 録音:1972年、ドレスデン、ルカ教会◆ ピアノ・ソナタ 第2番 嬰ヘ短調 Op.2 録音:1972年、ドレスデン、ルカ教会◆ スケルツォ 変ホ短調 Op.4 録音:1972、1973年、ドレスデン、ルカ教会Disc 2◆ ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調 Op.5 録音:1972、1973年、ドレスデン、ルカ教会◆ ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34 録音:1972年、ベルリン、ブルンネンシュトラーセ・シュトゥーディオDisc 3◆ 8つのピアノ小品 Op.76 録音:1973年、ドレスデン、ルカ教会◆ 2つのラプソディ Op.79 録音:1973年、ドレスデン、ルカ教会◆ 4つのバラード Op.10 録音:1972、1973年、ドレスデン、ルカ教会◆ 6つのピアノ小品 Op.118 録音:1972、1973年、ドレスデン、ルカ教会Disc 4◆ 幻想曲 Op.116 録音:1972年、1973年、ドレスデン、ルカ教会◆ 3つのインテルメッツォ Op.117 録音:1972、1973年、ドレスデン、ルカ教会◆ 4つのピアノ小品 Op.119 録音:1972、1973年、ドレスデン、ルカ教会◆ ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ Op.24 録音:1972、1973年、ドレスデン、ルカ教会Disc 5◆ ロベルト・シューマンの主題による変奏曲 Op.9 録音:1972、1973年、ドレスデン、ルカ教会◆ パガニーニの主題による変奏曲 Op.35 録音:1972、1974年、ドレスデン、ルカ教会◆ 創作主題による変奏曲 Op.21-1 録音:1972、1974年、ドレスデン、ルカ教会ペーター・レーゼル(ピアノ)ブラームス弦Powered by HMV