SMOKING-P / PURPLE HAZE

90年代より大阪ミナミを拠点に活動開始、三者三様の個性豊かな音楽、愛すべき人間性で日本全国に独自のネットワークを張り巡らせ、HIPHOP内外のストリート・カルチャーを網羅するM.M.T.(MIGHTY MINORITY THREE)。その中でもミナミ界隈に根城を構える一児の父、KING-Pとはあらゆるクラブでの神出鬼没のLIVE活動、そして毎日欠かさぬ愛娘の幼稚園への送迎、果ては一攫千金の香り漂う、幾多のオーバー/アンダー問わないジャンル・レスなギャンブル・スポットなどで、アメ村界隈のディープな住人たちにとっては風景の一部のような、最も馴染み深い人物だと言えるだろう。そして、彼のブレイクDJをつとめるDJ ZIMBABWEの奔放なヒップホップ観が絶妙のスパイスを添える傑作MIX CD、「野良犬P」を経て届けられた、ソロ名義二枚目のフル・アルバムとなる本作は、偉大なギタリスト、ジミ・ヘンドリクスの名盤同様に「PURPLE HAZE」と名付けられた通り、スモーキーな雰囲気を全編に渡って充満させつつも、その核はしっかりと、「煙」とは全く無縁の生活を送る筆者のようなヒップホップ・リスナーをも決して置き去りにしない、「音楽」そのものへとフォーカスされている。派手な仕掛けや装飾は一切なく、ここにあるのは良質なビートと、リスナーの五感を刺激するフリーキーなフロウ、、強固なメッセージと仲間への深い愛情。すなわち、ストリートから産まれたヒップホップを、本質的な意味でのヒップホップとして成立させる為に必要不可欠な要素、シンプルでいてたったそれだけだ。例えば権力に胡坐をかくような人種にとって、本作は全編に渡って耳の痛い一枚であることは疑いようもない。 1. Intro 2. No wall 3. Purple haze 4. Gambling life 5. P.I.P.E.M.A.N 6. The fool’s world 7. Freedom 8. Legalize it 9. 06P 10. Fuck U 11. Smoking boogie 12. Outdoor version 13. 道端の花