Paul Dukas (1865-1935): L'apprenti sorcier, La péri & Symphony in C Major
パリで銀行家の父の下に生まれた作曲家ポール・デュカス(1865-1935)。
その作品は華麗なオーケストレーションと色彩的な表現で知られています。
彼の最も有名な作品である「魔法使いの弟子」は、自己批判が厳しすぎた彼による破棄を免れた自信作。
あの映画「ファンタジア」に使われて一躍有名になりました。この物語、あまり知られていませんが、原作はゲーテによるもので、ゲーテが、シリア人のルキアノスの詩「嘘を好む人たち」を基にして書き上げたバラード(物語詩)を使っています。
映画では名指揮者ストコフスキーがオーケストレーションに手を加えていて、こちらの響きが広く知られていますが、ここでは指揮者タンゴーが探索した初稿版を用いることで、華美さを取り去った「作曲家のオリジナルの意図」を反映した演奏で楽しむことができます。
「ラ・ペリ」はロシア・バレエ団からの委嘱作品。当初は蓮の花の精ペリはナターリヤ・トゥルハノヴァ、イスカンデル王をニジンスキーが演じることになっていましたが、ディアギレフの介入でトゥルハノヴァが降板、しかしデュカスは彼女のために音楽を完成させたといわれています。
この作品も危うく破棄されるところでしたが、何とか生き残ったのでした。デュカス30歳のときに書かれた交響曲は、彼が残した唯一の交響曲で、軽快さと優美さ、重厚さを兼ね備えた隠れた名作です。
【曲目】
1. 交響詩「魔法使いの弟子」
2. 「ラ・ぺリ」のファンファーレ
3. 舞踏劇「ラ・ペリ」
4-6. 交響曲 ハ長調
※こちらのCDは輸入盤です。