2009年初版第1刷、帯つき、たいへんきれいな本です。(2025年11月19日現在)
「お金と幸福のおかしな関係 トレッドミルから降りてみませんか」
小山 千早 / マティアス・ビンスヴァンガー
定価: ¥ 2800
幸福は古今東西、永遠のテーマである。そして、「お金で人は幸せになれるか」という問いもよく耳にする。それに対してよく聞く答えは「幸せにはなれないかもしれないが、安心は得られる」というものだ。確かにお金はあったに越したことはない。だが、経済学者である本書の著者によると、問題はその使い方なのだ。
わたしたちは幸せになるために一生懸命働いてお金を得る。お金を儲ける方法についてもいろいろと学んできた。だが、そのお金を、幸せになるためにうまく使えないでいる、と著者は言う。現代の消費社会・競争社会に生きるわたしたちは、トレッドミル(=ランニングマシーン)の上をひたすら走り続けているだけで、実は少しも前に進んでいない。著者は助言する。幸せに一歩近づくためには、まずトレッドミルがもたらすマイナス効果を見極め、ここから飛び降りることだ、と。
また、経済のもともとの存在意義と目的は人類の幸福であるのに、現在の経済学はこの原点からまったく離れ、もはやお金を稼ぐこと―以前は幸福になるための手段でしかなかったこと―が目的となってしまっている。これでは現状の経済システムをうまく利用できた人だけが富を得、そこから外れた人との格差は拡大する一方だ。
たしかに人間の幸福には経済や政治が大きくかかわっているから、個人の能力がおよぶ範囲は限られている。しかし、ひとりの人間にできることもあるはずだ。本書では、トレッドミルを降りて幸せになるための10のヒントが紹介されている。これは、幸福という永遠のテーマに対する、経済学的見地からの一つのアプローチである。(こやま・ちはや 翻訳家)
「お金と幸福のおかしな関係」
マティアス・ビンズヴァンガ-
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