シャブリエ/歌曲集(2CD)
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エマニュエル・シャブリエ(1841-1894): CD1: 1-9. 9つの歌 10.ジャン王の軍隊行進 11. 酩酊 12. 旅への誘い 13. 「ルイ・ブラス」のセレナード 14. 不遜な願い 14. 愛のクレド 15. スペイン (声とピアノ編) CD2: 1. 君の青い瞳 2. リート「顔にそよ風を受け」 3. ジャンヌに寄せる歌 4. オペラ・コミック座案内嬢とボン・マルシェ百貨店従業員の二重唱 5-20. フランス各地のとりわけ美しいシャンソン 21. 太った七面鳥のバラード 22. 小さなあひるたちのヴィラネル 23. ばら色の豚たちのパストラル 24 .蝉 25. ありったけの花 26. 幸福の島 27. 音楽に寄せるオード フェリシティ・ロット(ソプラノ)、ウィリアム・バーデン(テノール)、スティーヴン・ヴァーコー(バス) ジェラルディン・マクグリーヴィー(ソプラノ)、トビー・スペンス(テノール)、グレアム・ジョンソン(ピアノ) 録音:2000年7月14-15,17日、ロンドン、ハンプステッド、ロスリン・ヒル礼拝堂 HYPERION【イギリス輸入盤】 フランスの作曲家エマニュエル・シャブリエ(1841-1894)は、後のドビュッシーやラヴェル、プーランクらにも大きな影響を与えた19世紀フランス音楽界の異色の天才です。明るく陽気でユーモラスな音楽の中に、ふと哀愁や優しさが顔をのぞかせる独特の魅力があり、「笑いながら泣く」とでもいうべき絶妙な味わいを持っています。 シャブリエは画家たちとの交流も深く、マネやドガ、ルノワール、セザンヌらの作品を愛した優れた美術愛好家でもありました。とりわけ、まだ評価の定まっていなかったセザンヌらの才能をいち早く認めていたことからも、その審美眼の鋭さがうかがえます。音楽においても既成のジャンルにとらわれず、オペラ、オペレッタ、歌曲、ピアノ曲などに独自の感性を発揮しました。 歌曲については少し意外な面があり、ヴェルレーヌやマラルメ、ヴィリエ・ド・リラダンなど、当時の優れた詩人たちと親交がありながら、彼らの詩を積極的に歌曲には用いませんでした。ヴェルレーヌとはオペレッタで協働したほか、ヴェルレーヌ自身がシャブリエを讃える詩を書くほど親しい関係でしたが、歌曲ではむしろ素朴でユーモラスな詩や民謡的な題材を好みました。 その背景には、当時のフランス歌曲が知的で洗練された方向へ進んでいたことへの、シャブリエなりの距離感があったようです。彼は「陽気なもの」、「寓話やおとぎ話」のような肩肘張らずに楽しめる歌曲を好みました。しかし、その親しみやすさの裏側には、繊細な感受性と深い哀愁が隠されています。まさにシャブリエらしいユーモアと涙、素朴さと洗練が同居する世界なのです。 本アルバムには、こうしたシャブリエの多彩な歌曲が収められています。「フランス各地のとりわけ美しいシャンソン」のような民謡を題材とした作品、「酩酊」や「オペラ・コミック座案内嬢とボン・マルシェ百貨店従業員の二重唱」など気取らない楽しさに満ちた小品から、「旅への誘い」のようなほのかな哀しみを湛えた歌曲までその魅力を幅広く味わうことができます。 中でもCD2の後半に収められた「太った七面鳥のバラード」から「幸福の島」までの「6つの歌曲集」は本当に素晴らしい晩年の名作です。生前にはその真価が十分に理解されなかったシャブリエですが、20世紀になるとドビュッシー、ラヴェル、プーランクらが熱烈に支持し、フランス音楽の新しい時代を切り開いた先駆者として再評価されました。明るく洒脱でユーモラス。それでいて、どこか胸を締めつけるような哀愁があるシャブリエの歌曲は、そんな唯一無二の魅力に満ちています。 イギリスの名ソプラノ、フェリシティ・ロットのチャーミングな歌唱をはじめ、歌手もピアノも最高のメンバーを揃えており、シャブリエを語るうえで欠かせないアルバムです。一番有名な管弦楽曲「スペイン」の歌曲版や、ラストには「音楽に寄せるオード」という女声四部合唱とソロとピアノのための美しい作品も収められています。未開封新品です。