デュ・プレ＆バレンボイム＆ズーカーマン／チャイコフスキー：ピアノ三重奏曲

音源はイスラエル放送による放送用録音らしい。「偉大な芸術家の思い出に」という副題が示す通り、チャイコフスキーの親友であるピアニスト・指揮者ニコライ・ルービンシュタインの追悼作品。2楽章構成だが荘重で長大。特に変奏曲の第2楽章が長く、ピアノの技巧的な難しさが際立つ。 この1972年のライヴ録音は、デュ・プレのチェロ奏者としての活動終結直前（病のため1973年引退）の貴重な録音のひとつ。またこの若きトップ奏者3人による室内楽の共演は当時としても特別で、彼らの音楽的な熱気と化学反応は大いに注目された。モノラルの放送用ライヴ録音なので決して高音質の録音ではないが、ライヴならではの緊張感と即興的なエネルギーが感じられる。 チャイコフスキー ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.50「ある偉大な芸術家の想い出のために」 ダニエル・バレンボイム（p）、ピンカス・ズッカーマン（vn）、ジャクリーヌ・デュ・プレ（Vc） 録音：1972年7月、 フレデリック・R.マン・オーディトリアム、テル・アヴィヴ（ライヴ）モノラル EMI国内盤(1994年製造）