LP 「第九」の最も男性美溢れる硬派の名盤。天才トスカニーニ 偉大な歓喜の歌

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 アルトゥーロ・トスカニーニ 指揮 NBC交響楽団 アイリーン・ファレル、ソプラノ ナン・メリマン、メゾ・ソプラノ ジャン・ピアース、テノール ノーマン・スコット、バリトン ロバート・ショウ合唱団 録音 1953年、ニューヨーク トスカニーニ最大の遺産、ベートーヴェンの「第九」。たとえば巨匠クレンペラーの「第九」は、トスカニーニの牙城にかなり迫っていて小生は好きですが、日本人が最高のベートーヴェン指揮者と評価するフルトヴェングラーの「第九」が、トスカニーニより偉大な演奏とは必ずしも思えません。小生はトスカニーニはフルトヴェングラーを上回る天才と考えます。悪しからず。巷では、カラヤンはトスカニーニを目指していた、なんて言われます。しかし、比較してみればお分かりになると思いますが、カラヤンのベートーヴェンは、トスカニーニには及びません。そんな比較自体、馬鹿げてます。カラヤンには、トスカニーニの精神も、厳しさも、歌も、偉大さもありません。しかし、評論家にも本気でホメる偏執狂がいて驚かされます！ どれほどの演奏か、メルカリで買って試しに聴いてみて下さい。評判倒れの演奏も体験してみるべきなのです！実は、そういう聴き比べこそ、レコードやCDでクラシック音楽を聴く醍醐味です！ 同じ曲でも、クレンペラー 、ベーム、シューリヒト、セルと聴き比べれば、まるで違う音楽を聴く感じで驚きます。 閑話休題。このトスカニーニ のレコードは、真に偉大なベートーヴェン演奏。しばしばデッドな録音が槍玉に上がりますが、ちゃんとしたオーディオで聴けば、当時のアメリカ最先端技術を駆使して録音された「凄い音」が張り出してきます！ 日本プレスの優秀さは「展覧会の絵」同様。1枚に「コリオラン」序曲まで入って、まだ余裕のある音がするのだから、驚きです。我が国のオールド・ファンは圧倒的にフルトヴェングラー派。案外トスカニーニ を聴いていない愛好家が多いので、この際、虚心に耳傾けてみてください。 大変に古いレコードですが、盤質は平均的な水準。レコード特有のノイズは存在します。新品のレコードでもノイズがあることも多いのが、LPというメディアです。それが嫌なら、サウンドは浅薄でもCDを聴くべきです。 申し訳ありませんが、値引き交渉はいたしません。