「『君たちはどう生きるか』に異論あり！」

「『君たちはどう生きるか』に異論あり！」 村瀬学 #村瀬学 #エンタメ/ホビー #本 #文学/小説 #BOOK 吉野源三郎の古典的名作である『君たちはどう生きるか』が生き方の模範のように扱われていることに疑問を投げかけ、作品の「人間分子観」や「英雄礼賛」といった根本的な問題点を指摘する問題提起の書です。 本書で指摘されている主な異論 ・偏った人間観:作品中で称揚される「人間分子観」は、進歩に貢献しない人間を排除するような、人間一人ひとりを尊重しない人間観につながると指摘しています。 ・「貧困」「格差」のすり替え:貧困や格差が「労働者」の問題にすり替えられていると主張します。 ・英雄礼賛の危険性:「ナポレオン礼賛」の章は漫画版では削除されましたが、本来の作品に含まれており、偏った人間観が英雄礼賛につながる危うさをはらんでいると指摘しています。 ・「力」による解決:事件の解決が「力」に訴える方法で描かれていることは、本当の解決とは言えないと述べています。 村瀬学氏の意図 著者は、当時の社会情勢を知らずに『君たちはどう生きるか』を無批判に読み継がれている状況を危惧しています。 本書を通してベストセラーをより有効に活用することを目的としています。 作品を単に批判するのではなく、作品が内包する問題点について議論を促し、読者が作品を多角的に理解するきっかけを提供したいと考えています。 定価：¥1,430 著者について 1949年京都府生まれ。現在、同志社女子大学特任教授。 著書『初期心的現象の世界』『「いのち」論のはじまり』『「あなた」の哲学』『自閉症』『次の時代のための吉本隆明』『徹底検証 古事記』『古事記の根源へ』ほか、多数 出版社 ‎言視舎 (2018/4/27) 発売日 ‎2018/4/27 言語 ‎日本語 単行本（ソフトカバー） ‎162ページ ISBN-10 ‎4865651209 ISBN-13 ‎978-4865651201