ブレンデル(p) マリナー／モーツァルト：ピアノ協奏曲第8番＆第26番「戴冠式」

モーツァルト ①ピアノ協奏曲第26番 ニ長調 K.537 「戴冠式」 ②ピアノ協奏曲第8番 ハ長調 K.246 「リュッツォウ」 アルフレッド・ブレンデル（ピアノ） 指揮：サー・ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団（アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ） 録音：1983年12月 第26番「戴冠式」は、モーツァルトの自筆稿が未完のまま放置されており、ブレンデルは通常の初版楽譜とは異なる独自の解釈を加えている点で話題になりました。この2曲の評価を根本的に見直すべき名演です。レコード芸術誌特選盤に選定されています。 音楽評論家：宇野功芳氏 『第26番「戴冠式」第2楽章では、時にやりすぎと思われるくらい旋律に装飾や変奏加えていくが、第3部の主部再現など最高で、その魅力的なことは筆舌に尽くしがたい。フィナーレも、マリナーの指揮ともどもテクニックやアンサンブルに巧さと勢いがあり、曲を超えた素晴らしさを感じさせる。第8番 「リュッツォウ」は非常に知的な演奏。ここでもマリナー指揮のオーケストラが細部まで極めて美しい。』 ピアノ協奏曲第8番ハ長調 , K.246 「リュッツォウ」 この協奏曲は、モーツァルトのピアノコンチェルトの中では最も易しい部類に属する作品だと言われていて、ウィーンに出てからも弟子の教材としてよく使っていたそうです。何といってもハ長調という調性は演奏する側にとっては「易しい」からです。確かにこの作品には、第5番（K.175）や第9番「ジュノーム」(K.271)のような輝かしい技巧を誇示するような場面はほとんどありません。しかしながら、飾り気の少ない音楽のように見えながら、専門的に見れば至るところにモーツァルトらしいアイデアが散りばめられていて、それを正確に表現し切るにはかなりの名人芸がピアニストには求められるようなのです。