河合優実主演映画「あんのこと」パンフレット
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おまけとして「あんのこと」のフライヤー(チラシ)が付きます
【あんのこと】
21歳の主人公・杏は、幼い頃から母親に暴力を振るわれ、十代半ばから売春を強いられて、過酷な人生を送ってきた。ある日、覚醒剤使用容疑で取り調べを受けた彼女は、多々羅という変わった刑事と出会う。
大人を信用したことのない杏だが、なんの見返りも求めず就職を支援し、ありのままを受け入れてくれる多々羅に、次第に心を開いていく。
週刊誌記者の桐野は、「多々羅が薬物更生者の自助グループを私物化し、参加者の女性に関係を強いている」というリークを得て、慎重に取材を進めていた。ちょうどその頃、新型コロナウイルスが出現。杏がやっと手にした居場所や人とのつながりは、あっという間に失われてしまう。行く手を閉ざされ、孤立して苦しむ杏。そんなある朝、身を寄せていたシェルターの隣人から思いがけない頼みごとをされる──。
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2020年の日本で現実に起きた事件をモチーフに、『SRサイタマノラッパー』シリーズや『AI崩壊』の入江悠監督が映像化。19年のデビュー以来、数多の映画賞に輝き、TBS「不適切にもほどがある!」での熱演が話題となった最注目俳優・河合優実が、底辺から抜け出そうともがく主人公・杏を演じる。また、杏に更正の道を開こうとするベテラン刑事に佐藤二朗。2人を取材するジャーナリストに稲垣吾郎と、実力派が脇を固めた。さらに制作陣には、第75回カンヌ国際映画祭で「カメラドール特別表彰」を受賞した話題作『PLAN 75』(早川千絵監督)のスタッフたちが集結。本作は杏という女性を通し、この社会の歪みを容赦なく突きつける。同時に、単なる社会派ドラマの枠を超えて、生きようとする彼女の意志、その目がたしかに見た美しい瞬間も描き出す。そして静かに、観客に訴えかける。杏はたしかに、あなたの傍にいたのだと。
【河合優実 インタビュー 2025/2】
虐待、覚醒剤、売春……実在した少女モデル「あんのこと」
「あんのこと」では、母親に虐待されて育ち、覚醒剤中毒で売春を強制されていた少女の杏を体現。前半では、風変わりな刑事らと出会い、介護の仕事に就いて更生の道を歩み出す。ところが後半、コロナ禍が襲い、雇い止めされるなど行き場を失い、ある出来事がとどめとなって再び社会の底辺に突き落とされてしまう。
杏にはモデルがいる。ある新聞記事をきっかけに動き出した企画で、河合は入江監督と共に記事を書いた記者に詳細に話を聞いて、撮影に入った。壮絶な人生に触れ「私が演じて、 映画としてたくさんの人に見せることが果たしていいことなのか、 やっていいのかなっていう気持ちがあった。それを乗り越えることが最も苦しかった」と振り返る。
入江監督の脚本を読んだときに、モデルの人物と、杏という役を「守りたい」という気持ちが生まれた。「この気持ちをつかんで離さなければやれるかもしれない」と向き合った。本当の意味で吹っ切れたのは公開直後。舞台あいさつで見聞きした、観客たちの泣いている顔や拍手の音、そしてネット上の感想から、真剣に受け止めてくれたことが分かった。「映画が公開されるときに『自分の手から離れていった』って言うじゃないですか。このときそれをとても感じて。心に重くのしかかっていたものから、解放されたような気持ちになりました」