1867年のパリ万国博覧会で発表され、ナポレオン3世の妃ウージェニーのお気に入りでもあった「インドの華」シリーズ。図案は日本の有田焼、柿右衛門の写しで、ヘレンドならではの柔らかいグリーンが特徴です。オーストリア・ハンガリー帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフがパリを訪れた際に、ナポレオン3世の妃であるウージェニーはフランツ・ヨーゼフ皇帝をエリゼー宮に招待し、ハンガリーヘレンドの「インドの華」のディナーセットでもてなしました。「インドの華」とは、当時日本の産物は東インド会社の船によって運ばれており、日本の柿右衛門もヨーロッパに向けた出港国であるインドの名が付けられたことに由来する。ヘレンドを代表するパターンで、グリーンの他に多数のカラーバリーエションがあります。 ヘレンドはヨーロッパ貴族の間で昔から愛用されているブランド。ヴィクトリア女王、ハプスブルグ家、ロスチャイルド家などヨーロッパの名門と呼ばれる 上流階級の間でも親しまれる理由は、世界最高峰の手描きの絵付けです。 1826年、ハンガリーの首都ブダペストから車で2時間程の場所にあるヘレンド村で、ヴィンツェンツ・シュティングル(Vinzenz Stingl)がヘレンドを創業。焼き物の盛んだった地帯であり、16世紀からマヨルカ陶器の産地としても知られ、シュティングルは質の高い磁器生産に向けて試行錯誤し、フィッシェル・モールが1839年に引き継ぎ、発展させ、現在の基礎を築きました。その頃ヘレンドの顧客はハンガリーの貴族が主でしたが、1842年にはヘレンド磁器製造所として帝室、王室御用達と承認され、皇帝フランツ・ヨーゼフの庇護を受けます。その後、世界万国博覧会の舞台でヘレンドの名声が世に轟く事となりました。 ヘレンドの商品は一流ペインターの手描きで描かれ、商品一つ一つ絵の位置・色・形等が異なり、 たとえ同じシリーズの同じ商品であっても世界に二つと全く同じ物のない逸品です。 ペインターの個性をご堪能ください。