これぞ1980年代アコースティック・ジャズの奇跡。チック・コリア、ブレッカー、ゴメス、ガッドなど二度と再現不可能な`夢のクァルテット`が繰り広げる比類なき音世界を収録したCD。1981年1月、2月にロサンゼルスにて録音。
1981年にチック・コリアがスティーヴ・ガット、エディー・ゴメス、マイケル・ブレッカーというフュージョン時代のスーパー・スターを集めて作ったポスト・フュージョン期ハード・バップのパイオニア的録音。1981年と言えば、フュージョン時代もすでにピークを過ぎ、リスナーも何か新しいものを求めていた時代だ。この時期の代表的な作品としては1983年録音のキース・ジャレット『スタンダーズ』や1981年のハービー・ハンコック・トリオにウィントン・マルサリスを加えた『カルテット』などのアコースティックなジャズが挙げられよう。時代は確かに動き始め、新しい音楽の息吹が感じられようとしていた。チックもこの流れの中にいたということだろう。メンバーは何れ劣らぬ名うての名手ながら、スティーヴ・ガッドがすでにピークを過ぎつつあることは否めない。60年代末のビル・エヴァンス・トリオ以来名演を録音し続けてきたベテラン、エディー・ゴメスは衰えを知らないようだ。特筆すべきはマイケル・ブレッカーの調子の良さ。絶好調のブレッカーをチックとゴメスのリズム隊で聴ける。他にドラムはいなかったのか。もちろんいた。ジャック・ディジョネットかトニー・ウィリアムズの方が良かっただろうけれど、チックとしても、やはり古い友人を見捨てるわけにもいかなかったのだろうなぁ。
曲目リスト
1クァルテット No.1
2クァルテット No.3
3クァルテット No.2-パート1(デューク・エリントンに捧ぐ)
4クァルテット No.2-パート2(ジョン・コルトレーンに捧ぐ)
5フォーク・ソング (PREVIOUSLY UNRELEASED) (ボーナス・トラック)
6ヘアリー・カナリー (PREVIOUSLY UNRELEASED) (ボーナス・トラック)
7スリッパリー・ホエン・ウェット (PREVIOUSLY UNRELEASED) (ボーナス・トラック)
8コンファメーション (PREVIOUSLY UNRELEASED) (ボーナス・トラック)